林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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新兵器と科学戦

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竹内時男『新兵器と科学戦』(偕成社、一九四二年六版)。裸本ながら興味深い内容だ。本文冒頭にこう書かれている。

《どんな人でも平和を希望しない者はない。しかし戦争といふ尊い犠牲があつてこそ始めて真の平和が築かれるのであるから、われわれは平和のために止むを得ず干戈を交へなければならぬのである。歴史は繰り返すといふが、歴史の一面はたしかに人類の争闘史であつて、古い昔から今日まで戦争は絶えず繰り返されてゐるのである。一国の存立興隆のためには、欲しない戦もしなければならぬのだ。》

戦争肯定の理屈はいつもこんな調子である。竹内時男という人物は東京工業大学で物理学を研究していたようだ。海外の新しい文献に通じ、当時はほとんど毎週のように新聞に名前が出るくらいの著名人だったらしい(座談会「数物学会の分離と二つの科学」)。たしかに本書にも海外(英米独伊仏)の兵器などの写真がふんだんに使われている。

現在実用化されている新兵器もすでにここにその原型を見るものが少なくないようだ。目次から「近づく近未来戦」の項目を写してみる。

光電話 無人飛行機、無人軍艦 便利な往復弾 
軍艦を食う細菌兵器 殺人光線(怪力線)とは何か 
物凄い殺人音波 電機眼と電機耳 奇怪な暗中の眼、暗視 
猛威をふるふ細菌戦 毒蛇毒虫弾 姿なき兵器 人口雷雨

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竹内は放射線も研究したというが、原子爆弾(文字通り原子爆弾ではないが)に関する情報もわずかながら掲載されている。

《ラヂウム・アトマイトといふのは最近発明されたもので、物凄い爆破力を持つてゐて、飛行機から百哩平方、深さ四哩の空間に散布されると、地上の人間は勿論すべての生物の命がなくなつてしまふといふ恐ろしいものだ。》

「radium atomite」で検索してみると、竹内の記述に近い記事が見つかった。Joel Robert Davidson『Armchair Warriors』には一九二〇年代三〇年代の英国における毒ガス兵器への恐怖を当時の『New Republic』から引用しているくだりに

《the radium atomite of anti-aircraft guns tries vainly to fill a space one hundred miles square and four miles deep,

とある。これは対空兵器としてラヂウム・アトマイトが用いられる描写だが、有効範囲が同じなので同じ兵器を指していると思われる。

それはともかく、おや? と思った図版はこちら。

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手塚治虫の初期作品を連想してしまう「未来戦争に予想されるロケツト」の図。海外の雑誌か何かからの引用だろう。そして、ひょっとして本書は手塚少年もむさぼり読んだ一冊だったのかもしれない。先日の昆虫図鑑とともに。

原色千種昆虫図譜
http://sumus2013.exblog.jp/21809930/



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by sumus2013 | 2014-07-09 21:54 | 古書日録 | Comments(0)
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