林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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美しい暮しの手帖 古今東西帖

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暮しの手帖増刊『美しい暮しの手帖 古今東西帖』(暮しの手帖社、一九五一年七月一五日、表紙=花森安治)。三月に町家古本はんの木で求めた。表紙の鮮やかさ、そして挿絵のふんだんに入った構成に目を奪われた。内容はいわゆる暮しの手帖とは違って「何でも物知り百科」という感じ。執筆担当は大島泰次郎、小牧あき、豊田克彦、久松正男、渡邊紳一郎。

《項目は編集部でえらび、ひとつの項目について少なくとも三人以上の方に、別々に書いていただき、それを一つに集めて、最後に、やはり執筆者のおひとり、渡邊紳一郎氏に、削除加筆して、まとめていただきました。大げさに申しまして、前後稿を改めること、三たびでございました。(S)

渡邊紳一郎以外の執筆者たちは本書の執筆者として以外にはこれといって検索にひっかかってこない。花森が隠れているのかな?


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目次の大胆なイラスト(川上澄生ふうだ)がいい。選ばれている項目も趣味的なものがほとんど。それぞれ蘊蓄が傾けられている。

例によって「コーヒー」はちょっと引用してみたい。【喫茶店の時代】

《コーヒーの発祥地はアラビヤだが、そこの上等を積み出す港がモカ MOCHA とも MOKHA とも書く、紅海の出口のところにある。西洋でも一流レストランか上流社会の食事のあとで、ドミ・タスに、ちょっと飲むほど、本物のモカは貴重品だ。東京のカフエやレストランで、どこにもモカと名付けるものを出すが、本物ではないだろう、モカの対岸のエチオピアの場違いモカですら、あり得ない。小田原のそばに鴨の宮という駅がある。駅の名だから仮名で横書きにしてある「やみのもか」、東京のモカも、これと同類だろう。モカは酸つぱいというので、南米の酸つぱい種類をモカと称しているらしい、商売人が、そういつているのだから正に、その通りだろう。

現在ではコーヒーの発祥地はエチオピアとされており、エチオピア産がモカ・ハラー、アラビア半島のイエメン産がモカ・マタリである。ブルーマウンテン(ジャマイカ産)が登場する前はモカがコーヒーの最高級品だった。ブルーマウンテンでも同じようなことが言われているように思うが、ブレンドのパーセンテージが問題となってくるわけだ。


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サボ(木靴)を読んでいて教えられたのはサボタージュ(sabotage)がサボに由来しているという説。

《日本に関係のないサボが、我々に名高いのはサボタージュのお蔭である。怠けることを、サボるーーなぞという。SABOTAGE というフランス語はサボを作ることである。これが労働争議の言葉となつたのであるが、その理由は明らかでない。フランスにおける鉄道従業員の争議から起つた。転轍のところをサボで壊したことから始まつたろうというのが一番信じられている。

リットレの辞書によれば鉄道用語で枕木を固定することをサボタージュというそうだ。

《サボタージとは、不注意により、つまり、見張りを怠つて、工場の機械が壊れるように仕向けたり、製造したものがローズ物になるように仕向けることである。大正八年に、日本の砲兵工厰の従業員が争議を起し、罷業をやらないで、出勤しながら、何もしないで怠けるという戦術を取つた。その時の新聞が怠業と書き、それにサボタージとルビを振つた。それ以来、怠業則ち、サボタージユとなり、ただ、怠けることをサボる、というようになつた。

フランス語のウィキでもほぼ同様な怠業説が紹介されている。サボ(木靴 sabot)という言葉はアラビア語の sabbat(けたたましい舞踏)を語源とする savate(古靴)、古フランス語のボット(bot, botte、靴)からきたようで、木靴を踏みならす音のうるさい舞踏、そしてその木靴を意味していたようだ。サボタージュという単語は十九世紀中頃に現れた。印刷工場には古くなったサボを吊るしておいて、そこに使い物にならなくなった活字を放り込んでいたことから、これがアナーキストたちのシンボルになったとも。密談をするときにサボを踏みならして外部にもれないようにしたなどとも言われる。

今、たちまち調べた範囲内では大正八年の砲兵工厰の争議が見つからなかった。その代わり大正八年九月十八日に賀川豊彦らが指導した神戸川崎造船所職工たちが新戦術「サボ」で勝利したという記事を見つけた(『日録20世紀 大正8年』講談社)。


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裏表紙内側の自社広告がいかにも花森らしい文字組みである。





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by sumus2013 | 2014-05-20 21:59 | 喫茶店の時代 | Comments(0)
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