林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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原色千種昆虫図譜

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平山修次郎『原色千種昆虫図譜』(三省堂、一九四一年五月三〇日、四十四版)。均一で見付け、すぐに決心がつかなくて(昆虫にはあまり興味がないため)ぐずぐずしていたのだが、図版がなかなかいいので買ってしまった。そのとき、ちらっと手塚治虫が図鑑の模写をしていたのを思い出した。この図版と似たようなのがあったな……と。

帰って検索してみると、やはりこの本だった。治虫というペンネームの由来にもなったというヲサムシ(治もヲサム)のページはこちら。(オサムシじゃありません)

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平山修次郎については目下のところウィキが立っていないため、あちらこちらから断片的に拾うしかない。

60年代の蝶類図鑑について以前書いたが、今回はそれより更に古く、また、より有名な図鑑の話。三省堂刊、平山修次郎著、松村松年校閲、「原色千種・續昆蟲圖譜」(1937年)がそれ。ちなみに私の蔵書は昭和十七年十一月十日第4版印刷発行、太平洋戦争まっただ中のもので、今でも古書店でたまに見かける。校閲された松村博士(1872 -1960)は明石市生まれ。北大名誉教授にして日本昆虫学の黎明を築いた偉人だが、一般に本書は「平山著の...」と冠されることが圧倒的に多い。平山修次郎氏(1889-1954)はまた、その名をいまでも吉祥寺・井の頭公園「平山博物館」に残す。手塚治虫氏にも大きく影響を与えたというこの図鑑、往年の昆虫少年達をその道に誘(いざな)った書として、ある年齢以上の層では実に頻繁に口の端に上る。昆蟲図鑑を嗜む その2 倉谷滋

兵庫県昆虫館の展示の目玉は,世界各地の蝶,甲虫 など 4000 種 3 万頭にも及ぶ「平山コレクション」だった. 「原色千種昆蟲図譜」など,多くの図鑑を手がけた昆虫学者,平山修次郎が収集した標本である.平山は,東 京・井之頭に個人の昆虫博物館を持ち,渋谷には分室ま であった.》(こどもとむしの秘密基地 佐用町昆虫館小史

チョウ類は「原色千種昆蟲図譜」などの著者として知られる平山修次郎氏のコレクション。》(東京大学総合研究博物館

本書には校閲者の松村の序があるが、そこにはこう書かれている。(例にならって旧漢字は改めた)

平山修次郎氏が始めて余に昆虫標本を送付し来たり、その種名の同定を求めたるは既に二十数年の昔なり。その当時氏の標本製作の堪能なるを見て余は如何なる人なるかを知るに迷へり。而して氏の余に送付せる標本は裕に三千種に達せり。余はこれによりて稀有なる標本と、美作なる標本とを得て、大いに日本昆虫の研究に便を得たり。

序の日付は昭和八年だから《二十数年の昔》は明治末年頃ということになる。また、平山自身の「はしがき」にはこうある。

《本書に載せた昆虫は、著者の所蔵標本の中から努めて新鮮で完全な材料を用ひ、鮮明な原色版で天然色を表はすことに務めた。》

《本書の校閲を賜はりました理、農学博士松村松年先生、常々標本を頂いて居る萩原一郎氏、製版の市村駒之助氏の諸彦に厚く感謝の意を表する次第であります。
   昭和八年七月 井之頭公園池畔にて 平山修次郎識》

製版の市村駒之助とわざわざ名前を挙げているのは、よほど苦労をかけたとみえる。その図版、これがいい味わいなのだ。ごく一部だが見て頂こう。

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説明文も宜しい。一例としてすぐ上の「テナガコガネ」を引用しておく。ここでは旧字をできるだけ残した。旧字がまた宜しい。台湾も日本であったわけだ。

《體ハ赤銅色。光澤アリ。翅鞘ハ黒褐、稍々緑色ヲ帯ビ黄褐色ノ斑紋ヲ装フ。雄ノ前脚ハ長ク脛節ハ殊ニ發達ス。雌ノ前脚ハ雄ノ如ク長カラズ。稀ナリ。/臺湾ニ産ス。》


さらには巻末に昆虫採集の方法が図入りで説明されており、これもまた人気の理由だったらしい。

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by sumus2013 | 2014-04-16 20:53 | 古書日録 | Comments(0)
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