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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


高津宮観桜会

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恒例の一軸観桜会が大阪の高津宮で開かれた。昨年は雨だったが、今年はまずまずの天候で結婚式も執り行われていた。三十数名の参加。みなさん秘蔵作品を持参されていた。江戸初期から戦後まで幅広い出品でたいへん勉強になった。

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津高和一の一九五〇年の小品、油彩画。額も当時のもの。


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江戸初期の野菜の絵。茄子と瓜。以前取り上げた章継伯「茄子瓜図」などに通じる作品。


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北野恒富の下絵を綴じたスケッチブック(?)。これは珍しいものと思う。近代の日本画系の画家のなかでは鉛筆デッサンのもっとも達者な一人である。

小生は日本画一軸と、絵ばかりではつまらないかなと思い、藤沢南岳の漢詩軸も持参した。けれど、絵画が専門の方々ばかりなのであまり注意は引かなかったようだ。

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 花痩影流秋一羅香魂冷絶根
 闌時休言傲看等閑老自有玄
 霜白月前  七十二翁南岳


自力で何とか読んでみた。間違っているようなら、御教示を。これだと平仄が合わないところがあるようだが。

藤沢南岳は天保十三年(1842)讃岐国生まれ。父の東は高松生まれで大阪で泊園書院を設立した古文辞学者。高松藩に召し抱えられた。その跡を継いだのが南岳で、南岳も高松藩の講道館で督学を勤め、仁丹、寒霞渓、通天閣などの命名者でもある。南岳次男の藤沢章二郎(黄坡、三惜書屋初稿)は関西大学の教授。その息子が小説家の藤沢桓夫。

署名にある七十二翁はかぞえ年なら大正二年か。満年齢なら大正三年、ちょうど百年前の作品ということになる。大正九年(1920)歿。



by sumus2013 | 2014-04-05 21:23 | もよおしいろいろ | Comments(4)
Commented by yf at 2014-04-06 09:59 x
高津さんでも観桜会で古本市があるとは思いませんでした。
ここは落語の「高津の富」で有名、我々夫婦は高津さんで結婚式を挙げました。当時、ここを北に行った処に自宅があったせいです。仕事も近くの松屋町筋、いい思い出は少なく用がありましても、顔を伏せて通ります。
 お正月は名店「ながほり」さんの呼びかけで、沢山の居酒屋、食堂、レストランの露店が並びます。是非一度お出かけ下さい。
Commented by sumus2013 at 2014-04-06 11:34
yfさま、高津さんで御結婚されたのですか! 由緒あるお宮さんですねえ。昨日も屋台が並び花見の人出で賑わっていました。なおこれは古本市ではなく、美術数寄の集りです。
Commented by yf at 2014-04-06 16:57 x
 そう忘れていました。高津さんの西、松屋町筋を南(南行き一方通行)に行きますと右手に「関西マツダ」ある処、左へ、通称「学園坂」を上がり、初めての交差点(谷町筋)を左折、初めての道を左に入ります。左側は大阪女子学園校舎」突き当たりの右角のお寺『「青蓮寺』が湯川書房・湯川成一の墓『湯川家』の墓碑があります。墓碑はお寺の一番奥、右手の塀に面しています。小生は『水雀忌』(7月11日)にはその前後に「線香」持って行きます。手入れの行き届いたお寺です。無断で入れます。
Commented by sumus2013 at 2014-04-06 21:47
ある方に教えていただき、一度お詣りさせていただいたことがあります。
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