林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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鎌倉の書斎

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昨日引用した種村「サロン、庭園、書斎」は『みづゑ 追悼澁澤龍彦』(美術出版社、一九八七年一二月二五日)に執筆されたもの。上の写真はその表紙の一部。巻頭には篠山紀信撮影によって余すところなく(たぶん)とらえられた邸宅の内外観が展開されている。

篠山写真は実際以上に立派に見えるらしい。何度も訪問したという某氏よりうかがったことがあるが、サロンも書斎も狭く、蔵書もサド関係は見事に揃っているものの全体でみればそれほどでもないという(それほどってどれほどなのか、その人の感覚によるのだろうが。そう言えば『澁澤龍彦蔵書目録』が出ているのにまだじっくり見たことがない)。

外観はコテージ風とでも言えばいいのか。たしかにこじんまりとした感じ。身近な自然を謳歌するというのは澁澤が文筆によって形成しているマニアックな宇宙からはほど遠い気もしないではないが、そういう頽廃的な気分の稀薄な、しっとりした自然のなかで彼は読書をし、筆を執っていたのもまた事実のようである。


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《北鎌倉の円覚寺につづく山の中腹に住んでいるので、四季を分かず、鳥の声や虫の声を耳にする。》

《私は手帳に、ウグイスやトラツグミやホトトギスや、あるいはヒグラシやミンミンゼミの声を初めて聞いた日を、忘れずに書きとめておくことにしている。》

《ウグイスはだいたい三月十日ごろに初めて鳴き出し、夏までさかんに鳴きつづける。夏に聞くウグイスの声は、一抹の涼感をあたえて、じつにいいものだ。》

《書斎のガラス戸をあけると、正面のなだらかな稜線を描いてつらなる、東慶寺や浄智寺の裏山が見える。季節の移り変わりがはっきりと感じられるのは、この山の色がたえず変化しているのを目にするときだ。いまは樹々のあいだに、薄紅色をした桜の蕾がふくらんでいるのが分る。もう数日もすれば咲き出すにちがいない。》

《私の住んでいる土地はかつて北条氏の邸のあったところだが、ここから見えるあの山のかたち、あの山の色は、おそらく鎌倉時代から少しも変わっていないのではないかと思うと、なんとなく愉快になる。》

以上は「初音がつづる鎌倉の四季」(『都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト』学研M文庫)より。

下は細江英公が撮影した書斎の写真(『鳩よ! 万有博士澁澤龍彦』マガジンハウス、一九九二年四月一日、掲載)。紅いカーテンを開けば、鎌倉時代から変らぬ自然を目にすることができたわけである。最初の篠山写真は鏡像なので細江写真とは左右が逆転している。

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ついでに『澁澤龍彦翻訳全集』(河出書房新社)の内容見本(一九九六年)と上述の『書物の宇宙誌 澁澤龍彦蔵書目録』(国書刊行会、二〇〇六年)の内容見本。翻訳全集は全15巻別巻1。

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もう何年も前になるが地方のブックオフに『澁澤龍彦全集』(全22巻、別巻2、今だいたい揃いで四〜五万円が相場のようである)十冊ほどバラで出ていた。千円均一だった。かなり迷ったが、バラで買ってもしかたないなと思い、別巻2(年譜他)だけ拾った。まあ、それで正解だったようだ。

***

所用のためしばらくブログを休みます。


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by sumus2013 | 2014-03-11 21:09 | 古書日録 | Comments(0)
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