林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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細井広沢?

f0307792_21125939.jpg


池永一峯と細井広沢(http://sumus2013.exblog.jp/21409711/)について先日調べたところ、その後すぐにこのような細井広沢とされる一行書が手に入った。ご覧のようにかなり保存が悪い。むろん表具もないマクリの状態(安いということです)。

何と書いてあるのか。「生・間・不」まではいいとして次の文字が? 最後は「死」でいいだろう。こういう成語があるのかと思っていろいろ当てはめて検索してみたが、ぴったりとしたヒットはない。部首で言えば、おそらく「あしへん」かとも思って字書をずっとたどってみたが判断ができなかった。「蹈」かも。不蹈死の語は吉田松陰の書にあるらしい。「生間」というのも漢語らしくない。類例を検索したところ孫子の兵法に生きて帰る間者(スパイ)の意味で用いられているくらい。

生死ですぐに思い浮かぶのは「未知生焉知死」(論語・先進第十一)だが、これとも直接の関係はないように思えるし。御教示を。

  ***

早速、御教示をたまわった。「武官不求之死」であると。なるほど武がちょっと武らしくないが(右肩に点があるか、またはそれを暗示させる筆勢があるべきなのだが、ここにはない)、生にしては最初の「ノ」がない。言われてみると「官」はまさに「官」だ。カン違いもいいところ(恥汗)。四文字目を二文字に読むというのは考えなかったわけではないが、「不□之死」という並びでは文章にならないように思ったのである。

で、御教示は御教示としてやはり「之」ではなく「あしへん」(へんが下にある)と考えて「足求」と読んではどうかと思い『漢和大字典』に当たってみると「足求」が見つかった。《キウ、グ。ふむ(蹋)》としてある。蹋は蹈()と同じ意味だから

「武官不死」武官は死を踏まず

と読んでいいだろう。これなら意味も通る。武で仕えるものは死んではならない。武とは死を避けるべきものだ、と解釈できると思う。『葉隠』に対するアンチテーゼ(アンチでもない?)、孫子あるいはマキャベリが言うところの武力は使わないのがベストという思想に通じるかもしれない(むろんこれは小生の勝手な解釈です)。

以上のように考えれば、揮毫者がある武官に対して注意書きのような意味合いで(あるいは本質論として)書き与えたものと想像することもできようか。本当に広沢筆かどうかは別問題だが。

とここで、また別の方より御教示をたまわった。

「武官不死」

であると。「愛」ですか! なるほど、これは素直に納得できる木村東陽『日本名筆書体字典』(新人物往来社、一九八〇年)から二例を引けば、愛は次のような形である。ここでは起筆が左から右へ向かっているが、これは広沢書のように右から起こして左へ、そして上下と運ぶ例もある。

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不愛なら意味は明らか。武官(武士と同義?)は死に親しんではいけないということだ。あくまで生きて勤めを果たせというこころであろう。

御教示に深謝です。小生も手習いに励まないといけません。

  ***

次は印の解読。これまた手に余る。まずは一番上に貼付けてあるのが蔵印。この位置に貼付けてあること自体が謎ではあるが、表装されていたときには裏面かどこかに捺されていたものかもしれない(と強いて考えておこう)。

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この篆刻は相当にあやしい。これまで取り上げた篆刻字書ともにらめっこしてみたものの明快な判断には到らなかった。とりあえず読んでみると(縦書きを横書きにしています)

 信 ? 諏 訪

 ? 湖 高 嶋

 藩 吏 ? ?

 ? 慎 蔵 書

諏訪も読み取りにくいが、高島藩なので間違いないだろう。とすれば出だしは「信濃」のつもりか? 三行目の姓だと思われる二文字は、むりやり読めば「百由」か? 絶対にない名前ではないのだけれど……。

右肩にある小印は「衡?」

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左の上は「藤知慎印」。これが細井広沢作とする根拠になっている。広沢がどんな文字を書くのかも知らないのでこれまた判断のしようがないのだが、書家のように流暢な字でないことは見れば分る。【細井広沢の習字手本帳を画像で見ることができた。これらの文字とは似ても似つかない能筆である】

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その下は「一字公系」と読んでいいのか? 意味は分りません。広沢の字は公勤だそうだが…。京都は嵯峨の広沢池に家祖の領地があったことから広沢と号したという。先日引用した書道全集掲載の図版と比較すれば、これらの印はあまりにたよりないもののように思われる。

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不勉強きわまりなくお恥ずかしいが、御教示歓迎いたします。







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by sumus2013 | 2014-02-27 22:09 | 古書日録 | Comments(4)
Commented at 2014-02-28 08:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yf at 2014-02-28 12:33 x
 とても判りませんが、右から左へと、今のスタイルで読んで居られます。右から縦書きが普通、回文もありますが、印を彫るときでも「二字」だと出来てみると左が「先」になっています。二字であっても、右から縦書きと言う事になります。簡単にいうと一行目は「訪嶋?書」になります。
Commented by sumus2013 at 2014-02-28 14:30
最初の印ですか。これは明らかに右上から下へそして左の行へと読んでさしつかえないでしょう。ただ文字の形がなかなかどうして?です。
Commented by sumus2013 at 2014-02-28 14:31
カギコメさま 御教示深謝いたします。さすがです。
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