林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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新譔篆書字典

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安本春湖『新譔篆書字典』(春湖書屋、一九二四年八月七日)三冊および索引合わせて四冊、帙入り。ご厚意によって拝見させていただいているものだが、こちらは単に字典の用を果たせばいいというだけでなく文字それ自体も姿が整って宜しい


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著者である春湖こと安本伊三郎(1872-1930)は西川春洞に師事した書家。中国の古碑文法帖を研究した春洞は明治以降の日本の書道界を二分する大きな流派を成した(もう一方の雄は日下部鳴鶴)。巻頭の序文(というか寄せ書きですな)を野村素軒(長州出身の政治家)、山口蕙石(書家、鑑硯家)、芦野楠山(篆刻家)、中村不折(画家、書家)、今泉雄作(有常、也軒、美術史家)が寄せており、跋文は春湖と同門の武田霞洞の手になる。


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貴重なのはこの書籍そのものより第一巻の見返しに記された墨書記(肉筆)である。「記念/昭和十一年十月二十五日於駒込/吉祥寺(文京区本駒込三丁目)追悼会挙行」とあって先師たちの名前と回忌が連ねられている。西川春洞二十三回忌、諸井春畦十七回忌、諸井華畦十三回忌、安本春湖七回忌、武田霞洞三回忌、花房雲山四十九日。追悼会之夜於船橋居 蒼陰書。


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蒼陰は吉岡蒼陰(1885-1969)だろう。春洞に次ぐ故人たちは春洞門七福神と呼ばれた人達のうちの五人らしい。後の二人は中村春波と豊道春海で蒼陰は春海の門人ということになる。


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by sumus2013 | 2014-02-23 20:41 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by yf at 2014-02-24 09:38 x
確かにここに収録されている篆書は美しいですね。勉強中の身にはとてもありがたいです。小生は行くNHK京橋、篆刻教室の、小生の文字の至らなさにモデルを書いて下さるのですが、この朱文の美しさ、別のファイルに入れて保存しています。この教室のウメダには旭屋書店で、海地さんと並んで信頼されていた黒田さんが居られます。会報の評価は篆書、篆刻とも、トップを争う成績です。
Commented by sumus2013 at 2014-02-24 21:29
篆書はいいですねえ。しかし、なかなかうまく書けないものですねえ。
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