林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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季刊ブックレヴュー

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以前の『ソムニウム』に関する投稿をご覧になられた方よりエディシオン・アルシーブの雑誌『季刊ブックレヴュー』二冊が送られて来た。しばらく借覧させていただく。

ソムニウムNo.2 No.3
http://sumus.exblog.jp/21161543/

ソムニウムNo.4
http://sumus.exblog.jp/20952531/

創刊号の戸田ツトムのデザインが気に入って池袋西武の「ぽえむ・ぱろうる」で求められたのだそうだ。《詩書を始めとしたマイナーな本との出会いであり、ジャケ買いとも言える本の購入傾向を決めたように思います。》とのこと。

まずは『季刊ブックレヴュー創刊号』(エディシオン・アルシーブ=京都市左京区一乗寺東水干町28 メゾンきしな309、一九八一年八月一六日)。誌名は奥付の表記に従う(表紙では「ブック・レビュー」と中黒が付いている)。ブックデザインは戸田ツトム。エディトリアル・ディレクションは後藤繁雄。オビ付き!

巻頭には「パブリッシュ・イメージ」という創刊の辞が置かれており、かなり意欲的な意見が開陳されている。

《一つのメディアは、読者、書店、取次、版元、印刷屋、著者の総体のインターチェンジである。一冊の本の中にもそれらの各現場のリアリティがすみこんでいるのだ。営業こそが思想をこえたり、レイアウトがあらゆるアートをこえたりするそんなメディアでありたいと思っている。編集内容(テーマ)だけでなく、現場そのものをエディトリアルしていくメディアにしていくつもりだ。『ブック・レヴュー』です。よろしく。(エディシォン・アルシーブ編集部)》

あるいはこんなきわめて今日の変革的な状況に通じると思われる言葉もある。

《今こそ野武士的エディトリアル・スピリットを持った野武士的編集者の登場こそが望まれる。今、地域性や経済構造を変革しうるのは、一見あたり前のことのようだが編集者の熱い魂と自在な方法なのだ。》

記事のなかで注目はこちら「愛書狂1=愛書狂ダンディズム 神戸南柯書局 渡邊一考」というインタビュー。聞き手は編集部藤木薫。

《神戸、新開地の山手、通りの傾斜によって家々が重なり合うかのように見える一角に南柯書局はある。かつて、知る人ぞ知る「水曜会」なる饗宴が夜を明かして開かれた書局の二階は、書棚が鋭角をかたちづくって向かい合い、三角形とも五角形とも見分けのつかぬ変則的な天井が眼を遊ばせる。万巻の書が薄銀色に鈍く光るその部屋に、編集部は南柯書局主人渡邊一考氏を訪ねた。


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談話の内容は忘れられた作家について。まず京都の山田一夫から始まり、野溝七生子、泉鏡花の「黒猫」、そして郡虎彦のダンディズムへなだれ込むが、話はここでプツリと途切れているのがまったくもって惜しい。

巻末には「書架東西」として東京四谷・文鳥堂木戸幹夫、京都三月書房の宍戸恭一の談話(?)が掲載されていて注意を惹かれた。宍戸さんの発言はこちら(読めないでしょうか……)。

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そして第二号、特集[店]から[見世]へ。発行は創刊からちょうど一年後の一八[ママ]八二年八月二五日である。オビがあるように見えるが、これはオビではなく表紙に印刷されている。表紙、裏表紙、特集記事の一部(七彩工芸のマネキン)。

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記事のなかではソルボンヌ留学中の田中義廣(ベアリュ『水蜘蛛』の翻訳者)が「本のスーパーマーケット」と題してフランスの書店事情を報告してくれているのが参考になる。

一九七三年に書籍小売業界にFNACが進出し《二割引を売り物に、セルフサーヴィス式のいわば本のスーパーマーケットを開いた》ことによってすでに自由価格制(一九五三年以来)をとっていたフランスの書籍流通に大きな混乱が生じた。

一九七九年には、それまでの定価(出版社希望小売価格)表示が法律によって禁止され、本から定価が消えた。それを受けて一九八一年五月シャン・ゼリゼのグラン・パレで第一回「本のサロン」が開かれた。フランスの七百あまりの出版社が一堂に出店し展示即売をしたのだ。その際、FNACに対抗して購入価格の二割相当の図書券を買手に配ったという。これに反対してミニュイ社とスーイユ社は参加を拒否した。

この混乱状態を見かねた新大統領ミッテランは固定価格を復活させ一九八一[ママ、二]年一月から実施されることになった。《さて、これが単にFNACの本の値上げという結果のみに終わるのか、それとも読者を含めた出版界全体に好影響をもたらすものとなるか、今のところ予測はつかない。》

少し補足すると七九年の法令は当時の経済大臣モノリー(René Monory) の名前から「モノリー布告」と呼ばれた。それに対する反動、八二年の書籍再販制度では定価表示、5%までの割引許可、初版後二年を過ぎかつ最終仕入れから六ヶ月を経た書籍の自由価格販売(時限再販)、公共機関などに対する定価の適用除外などが決められ今日にいたるようだ。

他には愛書狂2として白川静インタビューもある。それから『ソムニウム』No.5「ニュー・ロマンティック」ノヴァーリスの鉱物精神から近代霊学まで、という近刊広告が出ている。

また興味深い予告についての「お詫び」ある。

《ブック・レヴュー2号予告において、長らく富士正晴氏のエディターズ・ノート、濱坂渉氏のイタリアのメディア(メディアの解剖)の掲載の旨をお伝えして参りましたが、編集部内の全く一方的な事情により、今回掲載を延期させて頂くことになりました。富士氏、濱坂氏、読者のみなさまにご迷惑をおかけ致しましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。

富士正晴の「エディターズ・ノート」、読んでみたかった。


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by sumus2013 | 2014-02-20 21:24 | 関西の出版社 | Comments(2)
Commented by chara050505 at 2014-02-21 00:28
『季刊ブックレヴュー』見覚えあり。当時、発売元の東邦出版の方から戴いたと記憶してます。現在、手元にあるかどうかは不明ですけれど。懐かしいです。
Commented by sumus2013 at 2014-02-21 18:58
そうなんですか! 覚えておられるとは、やはりインパクトがあったんですね。たしかに荒削りながら熱いものを感じさせます。
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