林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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篆楷字典 篆書字引

昨日の続きで丘襄二『篆楷字典』(丘襄二、一九三三年一一月一〇日)、これは写真にも二冊並んでいたようにマール社から一九八三年一一月一〇日に復刻されている。

篆書の部首の形からその文字を同定するために作られた字書。下のように画数ごとに部首(というのか篆字の一部分)が分類されている。まず、この字形索引でおおよその見当をつける。

f0307792_20405456.jpg


そして該当する頁を開くと同じ部首の篆書が楷書とともにズラリと並んでいるので、そこから探している文字を見つけ出す。

f0307792_20405664.jpg


マール社版には音による索引もついている。巻頭には漢学者で東京帝大教授の塩谷温自筆による「篆楷字典序」があり、著者についてこう述べている。

《丘譲二君伊勢津人現住大連従事実業旁通小学用功多年新編篆楷字典専主実用沿彙集篆字依体分類付以楷書一目瞭然頗為便利頃者介友人片山法学博士請余文

《君齢既七十六猶孜々不懈能為此書可謂篤学之士矣乃欣然為之序》

丘襄二についてもほとんど情報がないが、序に言うように伊勢の人だとすれば、昨日の『偏類六書通』編者である古森厚孝らの伝統を引き継いでいたとも思えるのだが…。昭和八年に七十六とすれば安政四年(一八五七)あるいは五年頃の生まれということになる。

【追記】『大正人名辞典』(東洋経済新報社、一九一八年一二月二五日四版)に経歴が出ていた。それによれば、安政五年三月十二日、三重県生まれ。現住所は満州大連加賀四四。明治十二年、津市第百銀行取締役兼支配人。十四年三重県商業会議所会頭兼水産会会長。二十年三井物産会社入社。二十七年東京電燈株式会社幹事。三十七年日露戦争に従軍し勲功あり。田中合資会社監督、日支合弁龍口銀行枢議。旅順市議、旅順実業協会会長。大正元年関東州居留民総代として大喪に参列。大正三年青島軍に従軍。

***

昨日の二番目の写真、左側の二冊はどちらも池永道雲(一峯)撰『訂正篆書字引』(内題は『聯珠篆文』)である。まったく同じ内容。要するに異版。小さい方が明治版。やや大きいのが大正九年版。内容は基本的には『篆楷字典』と同じだが、もっとシンプルで収録字数も少ない。

f0307792_21183291.jpg

これは大正版で、下のが明治版の奥付。明治二十年代はこのように紙質が悪い本が多い。教科書類はたいていこういうふうに黄変してしまっている。

f0307792_21182672.jpg


明治版で著者は松浦琴(琹)鶴となっている。幕末の易占家として著名な人物と同一人であろうか(?)。ただ本文末尾には《享保壬寅夏六月/池道雲篆》と明記されているので池永道雲を著者としてよかろうと思う。享保壬寅は西暦一七二二年。

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この本の序文は柴邦彦こと柴野栗山(1736-1807)が執筆している。ただし本書について具体的には触れておらず、池永道雲の事蹟について、あるいは杉田伯元(1763-1833、杉田玄白の娘婿)とともに実見した道雲の印集『一刀萬象』などの印象を記しているだけである。池永道雲(1674-1737)は江戸中期の書家、篆刻家。同じく同時代の著名な篆刻家細井広沢(1658-1736)と技を競ったらしい






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by sumus2013 | 2014-02-10 21:47 | 古書日録 | Comments(0)
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