林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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年画造酒仙翁

f0307792_20062628.jpg


昨日が旧暦の元日だった。ということでおめでたい造酒仙翁の年画を掲げる。

中国年画造酒仙翁
http://www.microfotos.com/?p=home_imgv2&picid=1518960


造酒仙翁だけでなくさまざまな神様たちが祀られるようだ。漢代からあるとも言われる民間信仰らしい。

青苗之神/造酒仙翁/火德星君/張仙之神/和合二聖/五道之神

青木正兒『抱樽酒話』(アテネ文庫、一九四八年三月二五日)によれば、中国には大別して二種の酒がある。黄酒と焼酒。黄酒は日本の清酒にあたる。焼酒は焼酎である。焼酒は元代に南方から伝来したものらしく、中国本来の酒は黄酒であったろうという。

黄酒は浙江省紹興の酒が有名で、その名は黄酒だが実際には茶褐色をしている。ただ「竹葉清」と呼ぶ酒は日本酒に似ているそうだが《私は未だ曾て嘗めたことは無い》。昔の酒は日本酒のように琥珀色なのが普通であったらしい。それは有名な李白の「客中行」の詩に

 蘭寮ノ美酒ハ鬱金色 玉椀ニ盛リ来タル琥珀光

とあるので分る。唐以来の酒は淡黄色なのが普通だったが、他に特殊な酒として緑・紅・白の三種があった。白と紅はきわめて古く『周礼』に出ている。緑の酒は遅れて『文選』所載の晋の左思の「呉都賦」に出るそうだし、陶淵明の詩に「緑酒、芳顔ヲ開ク」ともある。

白酒はどぶろく。原始的な酒ながら、優良品もあったらしく蘇軾はとくに白酒を好んだ。緑酒は唐から六朝に流行し、紅酒は宋代に盛行したもののようである。

わが国では古くは黒酒(くろき)・白酒(しろき)といった濁酒が作られていたが、奈良朝になって唐から清酒の製法が伝わったようだ(引用者註;文献的には諸説あってはっきりしていないが『延喜式』[九二七年]には清酒の製法が記されている)。そのころから日本酒は琥珀色を輝かしていたに違いないと述べ、

《ところが近年琥珀は段々色が薄くなつて来た。聞けばわざわざ薬品で色を抜くとのことだが、何と云ふ手間のかかつた馬鹿な事をするのだらう。》

としめている。現代の人間には日本酒が琥珀色というイメージはないだろう。しかしながら以前 daily-sumus でも紹介した元禄時代の酒はまさに琥珀色だった。

 
『抱樽酒話』では触れられていないが、同じく青木先生の『中華飲酒詩選』(筑摩叢書、一九八七年九刷)には琥珀と紅の酒が出ているものが挙がっている。前半のみ引用する。


   将進酒   李賀

 瑠璃鐘 琥珀濃 グラスの盃には琥珀色が濃く
 小槽酒滴真珠紅 小さな酒船に滴る酒は真珠(ルビー)のやうに紅い
 烹龍炮鳳玉脂泣 龍を煮たり鳳を焼いたり脂がぢうぢう
 羅幃繍幕圍香風 薄絹の幃や刺繍の幕で香風を囲む


李賀についてはやはり以前少し触れた事がある。ご覧のように龍や鳳凰がポンポン飛び出してくる派手な作風だ。

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by sumus2013 | 2014-02-01 21:22 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)
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