林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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前太平記

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昨年の百万遍で中国青年と争って求めた和本五冊。『前太平記』(藤元元・作、版元不詳、刊年不詳)の巻二十一、三十一、三十二、三十五、三十七。バラというだけでなくはなはだしい修理・改装が行われている。


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御覧のような紙背文書ならぬ、裏打ち紙が全冊の全頁に貼付けられている。ちょいちょいとのぞいてみると、文政九年(一八二六)という年号が古いようだ。明治六年もあった。内容はさまざまで土地関係、建築関係の書類(大工うんぬん)など反故紙を用いているようだ。

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住所が書かれている紙もある。

《越後国魚沼郡 冨實郷 元塩澤組 嶋新田

これがどこなのかは地元の方に調べて頂きたいと思う。また五冊のうち四冊に墨の印判が捺されている。屋号は? 町田氏。魚沼郡目来田(もくらいでん)は現在の塩沢町である。

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『前太平記』(詳しくは「前太平記の世界」参照)は天和元年(一六八一)頃に成立した歌舞伎のネタ本として有名なもので、もちろん活字本にもなっている。この版本(草書体で半丁十二行、タテ23cm)は案外珍しいのか、今たちまち探したところでは滋賀大学附属図書館(前太平記40巻目録1巻)にワンセットあるだけだった。

読むのは骨だが、その気になれば、ルビもあるし、そう難しいというほどでもなさそうだ。もちろん読むことはないとは思う。ただ、挿絵は面白い。大方は戦闘シーンばかり。なかに酒を飲むシーンもあった。

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巻三十一の「将軍入鳥海柵給ふ事」。

《将軍城中に入給ひ暫く此にて人馬の足をぞ休められけるしかるにある陣屋の中に醇酒(じゆんしゆ)を湛へたる甕七八十も有けるを士卒争ひ飲まんとす将軍是を制し給ひ恐くハ賊徒御方の士卒を欺かんが為毒酒を設置たる事もこそ有らんずれ率爾に不可飲之とて先試に年老たる雑人一両人に飲しめ給けるに子細なき良酒なりと申て何の害もなかりけり》

もう一箇所は家の普請をしている場面。巻三十二「家任以下降参乃事」のところに出ているが、どうやらこの図は「耳納寺新通法寺建立乃事」に対応しているようだ。


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大工や左官などの様子が細部にいたるまで描き込まれている。鑿、鋸、鉋、曲尺、墨付けの道具も一通り揃っているし、おおよその手順が子供にも分るように図解されているのだろう。見飽きない。

文字が透けて見えているのは裏打ち紙に書かれた文章である。


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by sumus2013 | 2014-01-26 21:43 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by biwanoumi at 2014-02-01 16:41
屋号は「柳屋」ですかな
Commented by sumus2013 at 2014-02-01 19:41
なるほど。御教示深謝です。
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