林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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愚直兵士シュベイクの奇行

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『愚直兵士シュベイクの奇行』(辻恒彦訳、三一書房)三冊、「後方にて」(一九四六年一一月一日)、「前線へ」(一九四六年一一月二五日)、「赫々たる潰走一」(一九四六年一一月三〇日)。これは昨日の『勇敢なる兵卒シュベイクの冒険』(衆人社、一九三〇年)の再版。「訳者後記」にはこうある。

《もと東京の衆人社から『勇敢なる兵卒シユベイクの冒険』と題して出したのを訂正した。

《新版が出るに際し、衆人社の相馬信正、秀正、直正の三氏に改めて感謝の意を表する。相馬三兄弟は、旧版の多数の読者と共に、シュベイクの愛好者であつた。旧版が第一部から第三部まであり第四部から第六部までは予告のみに終つたについては、訳者はもちろん三兄弟も少なからず苦にしてゐた。今回京都の三一書房が訳者を鞭うつて完結を見る運びになつたことを最も喜んでくれるであらう。一九四六・八・一二

第六部まで六冊と別冊として『シュベイク短編集』が予定されていたことは巻末の続刊予告で分るが、このときもまたここに掲げた三冊だけしか刊行されなかったようだ。ようやく一九五一年になって上・中・下の三巻本として第六部(カール・ヴァーニェクがハシェクの死後に完結させた)までを発行、さらに三一新書にも『二等兵シュベイク』のタイトルで取り入れている。

「赫々たる潰走」からシュベイクが「輪廻」について語る長ゼリフを引用してみよう。

《だいぶ前のことだが、一体俺は今度生まれ変つたら何になるんだらう、何とかして今から解らねものかな、と考へついたもんだから、早速プラーグの職業組合の図書室へ出かけたと思へ。その時の俺の身装があんまり汚くてズボンのお尻に穴が幾つもあいてたもんだから、係の奴、冬服を盗みに来たとでも思つたんだらう、いれてくれねんだ。仕方がねえ、一張羅に着かへて、今度は市立の図書館へいつた。そこで輪廻のことを書いた本を借りて読んだがーーむかし印度に王様があつた、何の因果か知らねえが、死後その魂は豚に移つたんだ。ところが屠殺されたので、今度は猿になつた。猿の次が犬、そして犬から大臣になつたとさ。軍隊ぢや兵士は、やれ豚だの鈍馬だのつて畜生の名前でどなりちらされるが何千年か前は有名な将軍だつたかも知れねえぜ。もつとも戦争となりや輪廻なんて、ちつとも珍らしかねえばかりか、すこぶるつまらねえことさ。何故だつて? 例へばだな、俺等が電話手だの炊事係だの伝令だのになる以前、もう何度生まれ変つたのか数へ切れねえくらゐだものーー榴散弾がやつて来て身体を粉に砕いてしまふ。魂はふわりふわりと飛んで砲兵隊の馬に移る。ところがまた別の榴散弾がやつて来てこの馬を斃す。と直ぐ魂は輜重隊の牛へ引越と来る。シチウを作るためにその牛は叩き殺されて、その魂が今度はさうだな、一人の電話手に移る、そして電話手から……

「輪廻」をチェコ語でどう言うのか知らないが、西欧文学で輪廻といえば『ユリシーズ』の駄洒落「Metempsychosis=met him pike hoses」が連想される(ただ、この単語は厳密にはギリシャ思想における輪廻を指すもので、より一般的には「trasmigration」と言うらしい。もちろんユリシーズはギリシャ神話の転生なのだから、この単語でいいというわけ)。

『ユリシーズ』以前にもジョン・ダン、エドガー・アラン・ポー、モーパッサンにも現れており、プルーストも用いている(とウィキに書いてありました)。しかしそれらに加えてこのシュベイクの台詞を忘れてはならないということが、この引用でも分ってもらえるだろう。


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by sumus2013 | 2014-01-06 21:13 | 古書日録 | Comments(2)
Commented at 2014-01-07 12:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sumus2013 at 2014-01-07 20:04
それはショックです…
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