林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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季刊湯川 No.7

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『季刊湯川』第七号(湯川書房、一九八〇年一一月)を頂戴した。深謝です。

季刊湯川五冊
http://sumus.exblog.jp/21213166/

五冊に本冊を加えて六冊になった。あとは第六号のみ。この第七号は岡田露愁の木版画集『魔笛』の特集号。塚本邦雄「月光變」はモーッアルト「魔笛」をめぐるエッセイ風のコント。たとえばウィーンの国立劇場(スタツツオーパー)で出来事を回想するくだりなど、ちょっといい。

《「貴方、鳥刺しで何か聯想してるんぢやない? あててみせようか、私も丁度今考へてゐたところなんだから。『神州纐纈城』の発端に近いあの場面を。『いざ、鳥刺しが参つて候。鳥はゐぬかや大鳥は。はあほいのほい』と歌ひながら現れるんだ、たしか」と。古今東西、掛聲や合の手は共通するところもあらうが、先程フィッシャー=ディースカウのパパゲーノが、「鳥刺し男はおれのこと、常住愉快に、ハイサ、ポプサッサ」と、朗郎たる聲を聞かせてくれた直後だけに、その囃子の〈heissa, hopsassa!〉の綴り字まで、頭に思ひ描いて、頷いたことだつた。》

魔笛 Die Zauberflöte_3 俺は鳥刺し(パパゲーノのアリア)
http://www.youtube.com/watch?v=5LOkaQNFhms

うむ、たしかに「ホイサッサ」と聞こえなくもない(笑)。

三浦淳史はデヴィッド・ホックニーが舞台装置を担当したロンドンでの「魔笛」を取り上げて、まだ日本ではそれほど有名ではなかったホックニーについて語っている。有田佐市は小林秀雄の『モオツァルト」を雑誌『創元』で初めて読んだときの感動について。そして杉本秀太郎による岡田版『魔笛』についての期待を表明する一文。

次に岡田版『魔笛』の広告があり、最後に「雁名告造」の「露愁版画の魅力」という文章でしめる。雁名だから仮の名なので、湯川さんが執筆したのだろうか?(湯川さんではありませんでした)、なかなか熱の入った名文だ。

《「筆勢が感じられる」。岡田露愁木版画展は新鮮な驚きだった。そこにくり拡げられた木版画の表現は木版画技法の常識を無視した大胆、奔放な摺り、彫版、油製インクの使用によるマチエールの迫力、インクを必要以上に版木に塗り、その為、版木から版画紙を話した際に出来たと思われるクレーターの様なインクの跡、飛散った風に見えるインク、それらがすべて露愁氏の繊細な感受性の上に支えられ、神話、世紀末の人物像の生き生きとした表現に奉仕させられて、現代に甦って筆者に語りかけた。》

《天才モーツァルトがその生涯の果に咲かせた人類愛を崇高な迄に唱いあげた傑作オペラ「魔笛」。現代も続いていると言われる秘密結社フリーメーソンの神秘的な理念、夜の女王の存在の不可解さによって難解とされるドラマが露愁氏によって木版画された。そこに描かれる登場人物のなんと魅惑的なことか、六〇センチ×四七・五センチの大画面にパパゲーノを、三人の侍女達を、深きドイツの森の夜を舞台にメルヘンの響きを谺させる。
 露愁と言う古風な名を持つ若き画家は、今、古き革袋に馥郁たる香りに包まれた新しき酒「魔笛」をそ注ごうとしている。》

湯川さんは、実際、モーツァルト好きだった。事務所にはCDの全集が置いてあったように思う。他にはバッハも揃っていたか。
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by sumus2013 | 2013-12-05 21:10 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by yf at 2013-12-07 08:29 x
 この『魔笛』は元々湯川さんが作ろうとあたためていた題材で、プチフォルムで開かれた『岡田露愁』展を見た時、お二人の間に火花が散ったという感じで出来たものです。
 これが他のモーツアルトの歌劇だとすると物語を追うものになり、『魔笛』の持つ幻想的な処がぴったりだったと思います。この表紙の絵は見返しに使われ、後に「Sハウス」のTVコマーシャル、インテリアに使われています。ディクレターの慧眼に敬意を抱いた次第です。
Commented by sumus2013 at 2013-12-07 11:13
プチボワの湯川展のときに拝見しました。迫力ですね。
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