林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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書物 桐月号

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摘星書林さんの箱で見つけた雑誌は秋朱之介編輯『書物』桐月号(三笠書房、一九三四年三月一日)である。今、書棚を探してみると、同年五月号と九月号が見つかった。その頁の間に『書物』の検索結果(近代文学館)をプリントした紙が挟まれており、それによれば一巻一号(一九三三年一〇月)から三巻四号(一九三五年六月)まで十三冊所蔵されている。念のため検索し直してみたが、今現在も所蔵データに変化なし。

巻頭の文章は富田幸「ディイトリツヒシュタイン文庫」。同文庫の紹介と前年にそこから七九五点が競売に付されたことが報告されている。口絵写真より同文庫の一室。
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The library at the Mikulov chateau
http://www.rmm.cz/english/expozice_rmm.html

http://www.mzm.cz/en/dietrichstein-palace/

ラディゲ『ドニイズ』(日本限定版倶楽部)の刊行案内がなかなか鮮烈だ。
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しかし、もっとも引きつけられたのは百田宗治のエッセイ「半日」である。おそらく昭和九年の一月頃(?)、その半日の行動を記した内容だが、そこに高祖保が登場している。こういう発見はかなり嬉しい。

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外村彰『念ふ鳥』によれば、高祖と百田の関係はこんな感じである。

《百田は第三次『椎の木』で新詩運動への理解を示し、高祖保などの若手詩人に発表の場を提供し、椎の木社から彼らの詩書を数多く刊行した。》

《昭和八年九月二十五日、銀座の明治製菓三階で『希臘十字』出版記念会(山本信雄『木苺』と合同)が開かれた。阪本越郎、乾直恵、百田宗治や青柳瑞穂、初対面となった田中冬二(一八九四〜一九八〇)、また村野四郎ら十七人が出席している。》

《高祖保は『椎の木』の編集を手伝っていた昭和九年の前半、よく百田の家に通っていた。だが十一年の同誌廃刊によって、両者が顔をあわせる機会は減った。》

『書物』の百田の文章を読むと、ここでもやはり高祖は手伝っていたというよりも編集を取り仕切っていたようなニュアンスがある。根っから編集や出版が好きな人だったんだなと思う。

また、『書物』巻末の秋による「字幕」(編集後記のようなもの)には「校正を了へて」という見出しで次のように書かれている。これがあったため摘星書林さんは「林さんに…」と言ってくださったのだった。

《白水社の出版物の装幀や雑志[ママ]作品でおなじみの画家佐野繁次郎氏が、是非堀口先生の乳房の挿画を書かしていただきたいとのことで、氏の最も自信にみちた原色挿画五枚を乳房のさしゑとして挿入することになつた。鳥の子紙刷の詩集乳房は、かくて綿上綿を重ねた美本として出来上ることであらう。
 目下作製中店頭へは出しません。

待ちに待つたジイドのモンテエニユ論の原稿がやうやく編輯者の手に廻つた。法政大学の先生となられた淀野隆三氏の名訳、ここに愈々上梓の運びとなり着手いたしました。私はこの本を書痴王鈴木信太郎先生を驚かせるために出来るかぎりのぜいたくを尽して作製します。》

『佐野集成』を見ると、堀口大学『ヴェニュス生誕』(裳鳥会、一九三四年)の表紙画を佐野繁次郎が担当していることが分るが(しばしば古書目録で見かける本ながら限定版だけに高額である)、ここで言う「詩集乳房」が刊行されたのかどうか、寡聞にして分らない。ウィキによれば堀口の詩集として《詩集乳房 岡本太郎画 ロゴス 1947》というタイトルが挙がっている。さて、佐野の挿画が使われた本があるのだろうか。

また、淀野訳『モンテエニユ論』は昭和九年に三笠書房から発行された。それは架蔵しているが、この文章によれば秋朱之介の作った特装本があるということになる。さて、さて、こいうのは困りますな。
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by sumus2013 | 2013-11-25 21:06 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by 牛津太郎 at 2013-11-25 22:54 x
本は数珠つなぎで、ひとりで伸長していくような見本ですね。私も野田書房の『随筆』を入手し、いろいろ「発見?」がありました。
Commented by sumus2013 at 2013-11-26 17:02
いつも思いますが、不思議ですねえ。
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