林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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クリップ 16号夏

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先日の二冊に続いてもう一冊『クリップ』16号(杜陵高速印刷株式会社出版部、一九八六年六月八日)を見つけましたと某氏より追加で恵投たまわった。深謝。松本竣介特集号。

『クリップ』創刊号および2号
http://sumus2013.exblog.jp/20758756/

珍しい松本竣介の花の絵がカラーで掲載されている。

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松本禎子がこの絵について「帰ってきた「夏の花」」というエッセイを寄稿している。禎子が幼いときから大好きな叔父さんが竣介の絵を買ってくれた。

《支那事変が次第に拡大してゆく昭和十四年の秋ごろ、久し振りに訪ねて来て、アトリエで竣介と話していましたが、叔父が帰ってから竣介が、「叔父さんが僕の絵を三枚も買ってくれたよ」と、喜んでいたのをおぼえています。
 満州国大連での生活は、戦争たけなわになっても結構豊かだったらしく、「一度来ないか」などという誘いもありましたが、私共が慌しく松江へ疎開する頃には、消息も全く途絶えました。一家が辛うじて内地へ引揚げ、東京へ戻った私共と入れ替りに郷里の松江へ仮住いを定めたのは、昭和も二十二年になってからでした。》

叔父は再起の日も待たずに亡くなる。

《遺された叔母から、「実は竣介の絵を一点満州から持ち帰っている」という便りが来たのは、それから三十年近く経った頃でしょうか。「終戦直前には大連も混乱をきわめ、いつソ連兵にふみこまれるかという緊急事態に、一番好きな竣介の絵をベッドにかくした。その日武装の兵隊がなだれこんで来て家中を荒し廻り、中の一人が部屋にかけていた油絵二点を"ハラショー"と言って持って行ってしまった。二つとも竣介の作品だった」というのです。》

禎子は叔母からその絵を買い取る。

《包みを開けて目にしたのは、きれいな青に、鮮やかな赤い草花の描かれた油彩ーー裏面には昭和十四年・七月・夏の花と竣介の字で記してあります。それは息子の莞が生まれた年・月です。待望の男児の誕生を喜んで、庭の草花を一気に描きあげたものと思われ、よりにもよって不思議な縁(えにし)だと話し合ったことでした。》

竣介らしい絵ではないが、それでもブルーの塗り方は独特の雰囲気がある。ソ連兵の持ち去った他の二点も花の絵だったそうだ。「ハラショー」といって花の絵を略奪してゆくとは、しかも松本竣介の絵! なんて目利きの兵隊だろう。
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by sumus2013 | 2013-11-13 21:49 | 古書日録 | Comments(0)
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